【DAY07】指標の罠 ~なぜ「割安株」を買っても儲からないのか?~

ひげづら

第1週の締めくくりとなるDAY07では、投資の教科書に必ず出てくる「PER」と「PBR」の落とし穴についてお話しします。

「PERが低いから割安だと思って買ったのに、さらに下がった・・・」

そんな経験はありませんか?

実は、指標の数値を鵜呑みにして株を買うことはお見合い相手を「年収」と「貯金額」だけで選んで、一度も会わずに結婚を決めてしまうことと同じくらい危険です。

01. PER(株価収益率)は「人気投票」のスコア

まずPERは、現在の株価が「1株あたりの純利益(EPS)」の何倍まで買われているかを示す指標です。

📌 教科書の教え:「15倍以下なら割安でそれ以上なら割高」
📌 現実:成長が期待されるハイテク企業はPER50倍でも買われ続け、成長しない企業はPER5倍で放置
📌 真実: 低PERは市場から「将来性がない」と無視されている可能性あり(バリュートラップ)

例えば日本取引所グループ(JPX)が発表している規模別・業種別PER推移を見ると、業種によって「適正」とされるPERには大きな開きがあることがわかります。

参照元:「日本取引所グループ」規模別・業種別PER・PBR(連結)一覧

02. PBR(株価純資産倍率)1倍割れの正体

次にPBRは、会社が解散した時に株主に残る価値(純資産)に対して株価が何倍かを示します。

📌 教科書の教え:「1倍を割っていれば、解散価値を下回るので超お買い得」
📌 現実:国内市場には、万年PBR0.5倍といった銘柄は腐るほどある
📌 最新動向:東証は「PBR1倍割れ」の企業に対し改善策の開示を強く求めている

PBRに関しては単に1倍割れだから買うのではなく、「企業が本気で経営効率を改善しようとしているか」という視点が不可欠になっています。なぜなら、資産を使って利益を生み出す効率(ROE)が極めて低い企業に低PBR銘柄も多いからです。

03. 指標は「結論」ではなく「ヒント」

プロの投資家は、PERやPBRを「これだけで売買を決める材料」とは思いません。

「なぜ、この会社はこんなにPERやPBR、ROEが低いのか?」
「このPBR1倍割れを解消するような材料は出ているか?」

こういったことを必ず考えます。

例えばROE改善には余剰資金を使い自社株買いや増配を行うことも重要です。昨今では還元方針を変更することで長期的な還元強化やROE改善の意思表示を行う企業も増えています。

株価が上がる銘柄を選定するためにはこういった「数値の裏側にあるストーリー」を知ることが重要で、それを一時情報で調べることこそが本物の分析です。

このサロンで私が提示する銘柄も、単に「PERやPBRが低いから」という理由ではなく数値と併せて「業界や企業の変革」、「需給の変化」などを総合的に判断して選定されています。皆さんにもこの背景の部分を重視していただきたいです。